サブカル備忘録

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覚えてますか?RADWIMPSのマニフェスト

RADWIMPSマニフェストという曲がある。RADWIMPSでは、珍しくシングル曲でありながらもアルバムには収録されていない曲である。また、このシングルの発売日当日は、第22回参議院選挙の選挙期間であり政治の色が強い曲である。

 

 

 

MVから見る曲の背景

この曲はRADWIMPSの中でも極めて政治色の強い曲だといえる。まず、タイトルのマニフェストは日本語で訳すと政権公約である。それに沿うようにMVでは、野田洋次郎が演説をするように歌われる。

さて、このMVにはいくつかの秘密がある。

まず野田洋次郎の服である。明らかに軍服であり、それに熱狂する市民という独裁体制とも取れるような構図が取られている。確かに、ライブにおけるアーティストとファンの関係は、独裁者と党員の構図に近い。

独裁国家のイメージはさらに続く。最初に映る国旗は、旭日旗とドイツ国旗がミックスされたようなものである。旭日旗とは、大日本帝国下における軍隊が主に掲げていた国旗である。日本にせよ、ドイツにせよ両方共、第二次世界大戦中は悪の枢軸と言われた、世界中から独裁国家だと思われていた国である。厳密に言えば日本は異なるのだが、そこはひとまずおいておく。また、戦時中のようなヘルメットをかぶった女性も見られる。

以上のことから、野田洋次郎を頂点とするこの国家は、独裁体制の国であることが推測できる。

 

独裁者の洋次郎 VS. RADWIMPSの洋次郎

ここからは独裁者の洋次郎が歌う歌詞について考察する。さて、まずこの曲のはじめ、

僕が総理大臣になったら 日本国民一人ひとりから一円ずつだけもらって君と一億円の結婚式しよう

と高らかに個人の利益を優先する歌詞が歌われる。国家としてはあるまじき行為である。また、「君の家まで電車走らせよう」とも歌われる。こんなようなことを鈴木宗男も言っていた気もする。さらにその後、

その変わりと言ってはなんだけど 日本の国民一人ひとりの 一番大切な人一人の誕生日を休みにしてあげよう

 

なるほど、アメとムチの政策である。さて、2番の歌詞を見てみると、相変わらず独裁体制の、野田洋次郎とその好きな人の利益を中心とした歌詞が続く。

さて、この曲のすごいところは、2番のサビ後で、

たくさんはいらない 使う宛もない

あなたからの一つだけでいい

僅かな希望は あなたからの

投票一つを頂くこと

 と、独裁者である前に一人の人を愛する人間であることが述べられる。

 

さて、MVではここからのシーンで、学生たちがステージの上に上がってきて、RADのメンバーと衝突を起こす。この学生たちはみなヘルメットをかぶっている。おそらく学生運動や独裁体制に対する反乱のイメージであろう。それに続くように、独裁者としての野田洋次郎ではなく、RADWIMPS野田洋次郎としての主張がなされる。

野党も与党もヤジも罵倒も

やめにしようよ なしにしよう

そんあことは損なこと そんなとこ にしとこう

 フリースタイルダンジョンだったら、クリティカルが決まるようなライムが炸裂する。

そしてこの曲のラストはこう締めくくられる。

僕は総理大臣じゃないけど 僕は総理大臣じゃないけど

そんなもんに なるまでもなく

君は僕の そうファーストレイディー

そう、結局、総理大臣や独裁者にならなくても、彼女のことを愛することはできる。

 

独裁者の洋次郎、死す

そして、MVのラストでは、独裁者である野田洋次郎が暗殺される。ここでMVは終わっているが少し続きを考えてみる。独裁者は死が死ぬことで、普通の一人の人間としての野田洋次郎に戻る。

確かに、愛するということにおいて、独裁的な気持ちを抱くことはある。周りが見えなくなって、周囲に迷惑をかけることもある。けれども、平和を保ったままでも愛しあうことはできるよね?という洋次郎からのメッセージなのかもしれない。

 

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