サブカル備忘録

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歌詞に意味なんていらない?

「どっかの司会者言っていた 歌詞に意味なんて要らない」

キュウソネコカミのMEGA SHAKE IT!の歌詞の一節だ。この元ネタは、ヨルタモリタモリが言ったことなのだが、果たして本当に、歌詞に意味はいらない?

意味がない側の代表としてindigo la EndPeople in the box、ある側の代表として西野カナで考えてみる。

 

 

歌詞に意味なんていらない、のか?

歌詞に意味なんていらないということは、曲の中での言葉は音として認識され、意味を持たないということだ。洋楽などその人の母国語でない音楽はそういう聴き方になる。言葉もギターやドラムと同じように楽器として知覚されるのだ。例えば、歌詞の意味が全くわからないオマールスレイマンの楽曲が分かりやすい。全く意味がわからないが、なぜか面白いしテンションが上がる曲たちである。


 

歌詞は言葉からできる

さて、日本語で意味が無い歌詞とはどういうことか。最も代表的なのはきゃりーぱみゅぱみゅだが、ここではindigo la EndPeople in the boxから考える。

indigo la Endでは、初期の楽曲では意味が無いように思える単語が用いられている。ジョン・カーティスではサビで、こう歌われる。

新世紀の人間 サイボーグみたいだ

dislike an apple? そうだよ

ライブのMCでも本人が言っていたが、意味が分からない。けれども、ここから、川谷絵音People in the boxなどの歌詞を言葉に解体してきたバンドの影響を受けていることが読み取れる。indigo la Endについては以前も違う切り口書いたので参考までに

indigo la Endはメジャーになれるのか? - サブカル備忘録

 

People in the boxは、今も昔もずっと歌詞の意味が分からない。いや、正確に言えば、歌詞も言葉なので単語としての意味は存在するが、曲を通して筋の通った意味が存在しない。彼らは、言葉によって断片的に形成されたイメージを積み重ねることで世界観を構築している。

She Hates Decemberのサビはこう続く

壊したくない?壊したい? 棺 白い床が廻る

She Hates December 月が消えた僕らだ

満ちて 欠けて 擦り切れるのは

 「棺」は死の象徴であり、冷たい感覚がする。「月が消えた」も同じく死を暗示するような単語であるが、月は生と死のようにオンオフではない。だからこそ、次に満ちて欠けてという変化について歌っている。

と、歌詞を解釈してみても、言葉の並びの説明になるだけで、結局、歌詞の意味についてはわからない。だが、言葉によって意味を積み上げるというある意味最も基本的な言葉の使い方をしている。だから、Peopleは、どんなバンドより、歌詞が言葉から成り立つことを考えているバンドだとか考えている。

rabbit hole

rabbit hole

 

 

歌詞に意味がある、ないとは?

歌詞が大切にされているアーティストといば、代表は西野カナだと思っている。

「会いたくて、会いたくて、ふるえる」

この言葉を知っている人はかなり多くいるだろう。けれども、この言葉のメロディーを歌える人は言葉を知っている人に比べると一気に少なくなるはずだ。つまり、西野カナは歌詞が有名になるアーティストなのだ。

歌詞が有名になるとは、もちろんインパクトのある言葉ということもある。この会いたくて~は恐らくその部類であろう。けれども、ラブソングの多くは歌詞に意味があると言われる。この歌詞に意味があることのは、歌詞の言葉に共感することと同義なのだ。

歌詞に意味がない側のPeopleは言葉からイメージを与えている。歌詞に意味がある側の西野カナを代表とするラブソングは言葉によって共感を与えている

両者のアーティストについて意味という切り口で考えると異なるが、実は本質的には似ているのかもしれない。

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