なぜ、りりっくをぼうよみするのか?
「ぼくのりりっくのぼうよみ」という変なアーティスト名の彼は、2014年の閃光ライオットでファイナリストに選ばれ、注目を集める。
「ぼくのりりっくのぼうよみ」と検索をかけると、「音楽界が認めた!」「各界著名人がハマる!」という文字が踊る。ただ、別に音楽界が認めようが著名人が認めようが関係ない。水素水だって多くの著名人が効果を認め実用してるのだから。だから、もう少し深く、なぜ、ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり)が良いのかについて考えていく。ちなみに動画サイトから広がったイメージは僕にはない。
りりっくを棒読みにするセンス
そのアーティスト名にもなっているりりっく(歌詞)について考える。肝心のりりっく(歌詞)は、「虚ろなour relationships」など日本語と英語が混ざり合うような、中二病とも言われかねない歌詞である。けれども、中二病は「かっこいい俺がかっこいい」という思想だ。だが、ぼくりりに関して言えば、楽曲がかっこ良いのだから、中二な歌詞はむしろ喜んで迎えられるべきである。中二病というのは、みんな一度は経験するものであり、それを恥ずかしいと周囲の圧力で思わせられることこそが悪いものなのだから。同調圧力のようなものだ。
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「CITI」ミュージックビデオ
ぼうよみの魔力とやくしまるえつこ
彼は、確かに棒読みとも取れるような歌い方をする。棒読みだからそこに感情が存在しない気がするのだ。だからこそ感情という不確定要素を抜きにすることで、リズムが際立っている。つまり、言葉の抑揚がない分、言葉の切れ目がはっきりと分かる。
また、そのぼうよみの歌い方と、それの裏に流れる曲のリズム感とのマッチング具合が良い。細かいビートを刻んでいるが、決して縦ノリのような「お前らノれよ、俺についてこれないのか!?」という感じではない。ゆったりと横にノれるビートであることもこの歌い方と相まって、雰囲気を構成している。チルっている音楽だ。
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「sub/objective」ミュージックビデオ
だからこそ、このぼうよみの歌い方は重要で、今まで同じことをしてきたのは、相対性理論のやくしまるえつこなどが当たると思う。彼女も素人が感情なく歌うような歌い方をしている。やくしまるの魅力についてはまた後日書くことにするが、簡単に言うと、演奏が異常に上手いバックバンドに下手に聞こえるボーカルという構図で、妙な違和感を創りだしていることだ。最近はやくしまる自体も上手くなってきて2ndステージ突入という感じなのだが。
かれはりりっくをぼうよみするだけなのか?
彼は音源で高い満足度を与えてくれるアーティストだ。
ライブを見たことがないからそう思うのかもしれないが、少なくともライブ向きではない。それは音源のクオリティーが高いが故に、これ以上ライブで良い編曲になるのか、という疑いが生まれてしまうからだ。それを上回るライブをしてくれることが楽しみである。
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Newspeak」ミュージックビデオ
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