サブカル備忘録

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Lineスタンプはアートになれるか

最近、アートで町おこしとしてアートフェスティバルが多く行われている。

有名なのは瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭都心部で言えば、六本木アートナイトなどもこれにあたる。

けれども、アートというとなんだか敷居が高いイメージがある。今回は、少しだけアートとはなんだろうと考えていきたい。

 

うさまるはアート?

うさまるをご存知だろうか?よくLINEスタンプで目にする機会の多くなったうさぎというかなんというかゆるいキャラクターだ。

うさまる【シール付き】

うさまる【シール付き】

 

このうさまるはラインのスタンプとして知名度をあげた。 ラインのスタンプは、言葉を打たなくても気持ちを伝えることができる非言語のコミュニケーションツールだ。まず、このうさまるスタンプが人々のLINEでのコミュニケーションを助けていることは間違いない。

ただ、うさまるはスタンプに収まらず、いろいろな商品化やアニメ化などがなされた。そこで、コミュニケーションツールであったうさまるのラインスタンプは、今やうさまるというキャラクターが独立して商品になるまでに成長してきた。つまり、「道具」に人々が愛着を 持った結果、キャラクターに命が宿ったとも解釈できる。

では、うさまるはアートなのか?

例えば、うさまる現象をアートとして捉えて注釈をつけるなら、「非言語でのコミュニケーションツールであった絵が道具としてではなく、キャラクターとして認識されてきた。これによって日本人の世界観を浮き彫り出す存在になった。」と書かくことができるかもしれない。

ただ、自分でこんなタイトルを付けてあれだが、アートというくくりで考えるのはもはや意味が無いと思っている。その話を次はする。

 

アート=美術館に飾って額縁に入ってる?

アートと必ずセットになるのはそれを展示する美術館だ。趣味は美術館巡りなんて言うと、いかにも物静かでインテリな人というような印象を受ける。

けれども、美術館に展示されるだけがアートではない。例えば、Chim↑Pomというアーティストがいる。彼らは今、新宿歌舞伎町の取り壊しが決まっているビルで個展を開いている。この展示会の一番の魅力はこの展示会がビルの取り壊しとともに破壊されることだ。ビルと運命をともにする展示会とも言われている。

この歌舞伎町振興組合ビルは、かつての歌舞伎町を支えてきた振興組合のビルであった。けれども、きたる東京オリンピックや外国人観光客の誘致のために、歌舞伎町浄化計画というのが活発になってきている。例えば、歌舞伎町の真ん中にあるTOHOシネマズは最たる例だ。

本展示会のテーマは以下のように書いてある。

展覧会のテーマは「Scrap and Build」。「2020年東京オリンピックまでに」をスローガンに再開発が進む、現在の東京という都市の姿に迫ります。

また明日も観てくれるかな? | 〜So see you again tomorrow, too? 〜より

 

スクラップしてまた建てることが良いことなのか?けれどもいつかはスクラップしないと建てられない。そういうめんどくさい関係性を表現しているのがこの展示会である。

 

こういう展示を含めた展示会を開く姿勢もアートであると思う。現にこのChim↑Pomはイギリスのアート誌で「アジア太平洋地域で最も影響力ある40歳以下の40人」に選ばれている。つまり、アートという言葉の持つ難しそうなイメージを失くすために、うさまるだってChim↑Pomだってアートなのだ。

だから、アートに対して今カジュアルに接することができるアートフェスティバルは良い機会なのかなと思っている。

 

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