サブカル備忘録

映画・アニメ・音楽、全てのカルチャーは処方箋

ポプテピピックとはなんだったのか?

今季の覇権クソアニメことポプテピピック。結局毎回繰り返される謎の繰り返しをついに12話見終えてしまった。結局なんだったのだろうか?

 

豪華な声優を出演させるためのクソ構成

まず第一に言えるのが、毎回いいように扱われる声優陣だろう。殆どがアニメで共演歴のある、しかもほぼ主役級の二人をメインに抜擢している。

このアニメは、前半と後半でほぼ同じ作画、内容で声優のみ異なる展開を放送している。後半パートが始まる際には「再放送」というキャプションが入るくらいだ。

この構成によってアニメで大きくお金がかかる部分の作画や演出を削り、その分を豪華な声優陣に割いていると想像される。

また、その声優のチョイスにも工夫がなされている。若手声優コンビを起用した場合やベテラン声優の場合、もしくは仲良し男声優、女声優など、幅広い年齢層やオタクたちへのフォローを欠かしていない。

今まで30分の放送枠のアニメは通しで内容をやらなければならないという常識をポプテは打ち破り、その上で声優のチョイスだけで視聴者を飽きさせない構成とした。

 

オマージュと呼べるのかさえ分からない小ネタの数々

ポプテのもう一つの特徴としてさまざまなジャンルからのオマージュが存在する。もちろん、知ってる人が元ネタを想像して楽しめる。

例えば、特になしというポプテピピック解説ブログは圧倒的な知識量で各話の元ネタを解説している。ただ、一般の視聴者は初見ではほぼわからない内容ばかりだ。

ここを乗り越えるのが、現代のTVアニメの視聴方法だ。

アニメの視聴スタイルとして、リアルタイムでニコ生やabemaで見ることやTwitterで実況することが一般的になっている。そんな中で視聴している大勢のユーザーの中から元ネタに気がついてツッコミを入れてくれる人が現れる。すると、大勢の見ているユーザーにもツッコミが共有されて、初めてこのアニメをより理解できるようになる。

つまり、ポプテピピックは、視聴者によるツッコミで初めて作品が成立するインタラクティブ(相互作用)さを持つ構造となっている。

 

何もわからなくても楽しめる高い中毒性

あまり着目されない点ではあるが、ポプテピピックは元ネタや声優がわからなくてもきちんと楽しめる内容になっている。その最たるがAC部によるボブネミミッミだ。

AC部は高い中毒性を持つフレーズや映像を作成する制作ユニットだ。音楽界隈だと、group_inouのMVをいくつか制作しており、楽曲の持つ意味のわからない歌詞と映像の中毒性のコラボが有名。

 

話を戻して、ボブネミミッミは基本的には、本作の主人公であるポプ子とピピ美の登場するAC部による映像だ。

ただその中に、主人公の二人が登場しないヘルシェイク矢野という映像作品がある。基本的にはAC部の二人が紙芝居をめくりながら内容を説明するという文字に起こしても意味がよくわからない映像なのだが、ものすごく中毒性がある。その証拠にTwitterのトレンドワードにランクインしている。なお、AC部の言葉選びは度々トレンドワードに登場しており、他には「エイサーハラマスコイ踊り」がある。これは、初回登場以降の話でも登場しており、同じアニメの中でさえ二次創作的な展開を実施している。

元ネタに頼りガチと言われているポプテの中で殆ど元ネタに頼ることなく、くだらなさ、面白さで評価されるような映像作品をいれているのも、何もわからなくても楽しめる工夫だろう。

 

まとめ クソアニメという逆張り

以上3点を見てきたように、ポプテピピックはかなり戦略的に考えられ構成されている。ここまでネットでのバズをコントロールできたアニメは近年稀に見る気がする。

よくわからないものを毎回見させられたと思いつつも、また見てしまう。この気持こそがもはや中毒そのものではないか。視聴者は完全にポプテピピックチームの手のひらで踊らされていたのだ。

出会い

出会い