サブカル備忘録

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僕らは大人にならなければならないのか?

子供の時、大人はなんだかかっこ悪いと思っていた、まちだねこです。

みなさんもそんな思いを抱いていたのではないでしょうか?今回は、『少女革命ウテナ』を題材に、「大人になること」について考えていきます。

 

少女革命ウテナとは?

幼い頃に自分を助けてくれた王子様に憧れ、自分も王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく。

wikiより引用

ウテナが描く大人像とは?自立とは?

「世界の果て」を見せられることにより、デュエリストたちは心変わりしたかのように、ウテナに戦いを挑み、薔薇の花嫁を手に入れ、夢を叶えようとする場面が存在する。幹と梢はお互いがお互いを縛り付け、子供のままでいようとする関係を、樹里と早苗は同性の友達の幸せであり続けることを、冬芽と西園寺の友情関係を、西園寺とアンシーの恋愛関係を、それぞれのデュエリストは叶えようとする。

「世界の果てを見せられる」とは、自分の理想が叶う姿を見せられる、夢を再確認させられるということを意味している。天上ウテナは夢を信じぬいてきた。その夢を信じ抜く強さで他のデュエリストたちとの戦いに勝利していた。

ただ、いつか子供は大人にならなければならない。ウテナにとってのその転機は、学園の理事長 暁夫の登場だ。暁夫に恋をしたウテナは、暁夫と1夜をともにする。これにより、ウテナは自分の王子様を手に入れ夢を叶え、大人になる。大人になることで、純粋に夢を信じ抜く力が失われてしまうのだ。

そして追い打ちをかけるようにウテナに現実が迫ってくる。ウテナは暁夫と妹のアンシーが関係を持っていることを目撃する。今までは友達であったアンシーが、恋敵になり、彼女を本当に助ける必要があるのか、現実を目の前に提示されウテナは悩む。

そして最終的にウテナは最終的に学園から追放されてしまう。学園を出るとは、大人になることを意味している。つまり、ウテナは現実を知ることで大人になったことが示唆される。

 

僕らは大人にならなければならないのか?

夢を信じる力の強さこそがウテナの強さであった。それが暁夫との恋愛により現実を知ることで、純粋に信じる力を失い、現実を信じる大人になってしまった。

ただ、薔薇の花嫁であるアンシーがウテナを探すために学園を出るシーンでこの作品は幕を閉じる。大人になった上で、現実を知った上で、なおかつ夢を信じぬいて生きれる希望を残して終わる。

大人になる/ならないということよりも、大人になり現実を知った上で夢を見続けるためにもがくことこそが希望になるのだ。