サブカル備忘録

映画・アニメ・音楽、全てのカルチャーは処方箋

「デイドリーム 祈り」銀杏BOYZ武道館ライブDVD

「デイドリーム 祈り
なんでこんなタイトルなんだろう?あの時、武道館にいたけれども分からなかった。
すぐ思いつくのは、ザタイマーズの名曲「デイドリームビリーバー」。そして、銀杏BOYZなら「夢で逢えたら」。

銀杏BOYZの武道館公演を収めたライブDVDをポレポレ東中野で見た。
特に何も特別な編集がされてない単なる武道館ライブを収めたライブDVDだった。
ただ、上映が行われた映画館では鼻をすする音があちこちから聞こえた。
しかも、感動映画のフィナーレのようにみんなが同じタイミングで泣くのではなく、それぞれが全く違う曲で泣いていた。ある人は「エンジェルベイビー 」ある人は「若者たち」またある人は「駆け抜けて性春」。

祈り」とはあまりにも身勝手な行為だ。特に行動をするわけでもなく、願い続ける。
ただ、願うことによって救われることもある。誰かが救われる時を人は奇跡と呼ぶ。ただ、祈りの多くは、祈ることによって祈った自分を救うことを目的としている。
では、銀杏BOYZが、女の子への届かない想いやストーカーに近い片思いを歌い続ける「祈り」は、誰を救うのか?

こんな表現、陳腐だから避けたいが、峯田和伸はカリスマだ。ただ、ヒーローではない。彼はカリスマよりも近い位置で僕らの気持ちを歌ってくれる。
彼の祈りは、僕らを救う。こんなにも純粋ではたから見たらどうしようもなくて気持ち悪いかもしれない想いすらも分かるよと肯定してくれる。

「ぼくたちは世界を変えることはできない」と歌うけれども、少なくとも銀杏BOYZはぼくの世界を肯定してくれた。
もしかしたら、僕は知らないうちに峯田和伸にかなり影響を受けていたのかもしれない。
そして、かなり救われていたのかもしれない。 そんなことに、こんなにも当たり前なことを明確に気付かされた。
あんなノイズしかないCDからこんなにも良い言葉が、音楽があるだなんて、今更気付かされた。よかった、これに気がつけて。

デイドリーム 祈り [DVD]

デイドリーム 祈り [DVD]