My hair is badを笑うやつとは友達になれない
My hair is badがフェスに出た時のお客さんの反応は大きく分けて2通りだ。
椎木くんの話に心酔するか、鼻で笑うか。
鼻で笑う人は続けてこう言う「むき出しの若さを現実はそうも行かないし、結果悩んでるだけで答えを何も出せてない」。
確かにそうだ。
ただ、音楽は多分答えをもらうものじゃない。音楽は聴く人の悩みを解決してくれる魔法ではない。
僕らに考えるきっかけを与えてくれるものだ。
例えばマイヘアで最も知名度の高い曲『真赤』
その出だしの歌詞「ブラジャーのホックを外すときだけ、心の中までわかった気がした」。
この歌詞は今まで名前が付けられなかった感情を的確に表現している。このフレーズだけで彼の名前がつかない感情を表現する才能は明らかに抜き出ていることが分かる。
この表現力の源は椎木くん自体の悩みだ。そんな悩みを体験していないにもかかわらず、聴いた僕らも一緒に考えさせられてしまう。
椎木くんがむき出しの若さで悩みながら右に左に曲がりながら、時にはエンストしながらもがくからこそ、僕らにきっかけを与えてくれる。
確かにあまりに紆余曲折するあまり、MCで何を言ってるかわからなくなる時もある。
けれどそれこそがライブでナマでやってることの意味ではないか。
だから、My hair is badを笑うやつとは友達になれない。