サブカル備忘録

映画・アニメ・音楽、全てのカルチャーは処方箋

売れるバンドの条件とは?

音楽を数日聞かないと体調が悪くなるまちだねこです。

ニガミ17才というバンドを知っているだろうか?久々にこれは売れると核心できるようなバンドに出会えた。そもそも売れるバンドとは?をニガミ17才を例に考えてみる。

 

売れる理由1.メンバーの生い立ちに由来した高い音楽性

ニガミ17才は、嘘つきバービーのボーカル岩下を中心に、後藤まりこのいたバンド、ミドリの元ドラマー小銭喜剛、ベースのイザキタツル、シンセの紅一点 平沢あくびというメンバー構成のバンドだ。

ミドリといえば、セーラー服の後藤まりこがボーカルを勤めた、カリスマバンドだ。嘘つきバービーゆらゆら帝国と比較されるようなアングラバンドだ。ミドリも嘘つきバービーもすでに解散してしまっている。だが、ミドリのフリージャズ要素と嘘つきバービーのアングラさの遺伝子を受け継ぐのが、ニガミ17才だ。


ニガミ17才 / ただし、BGM

 

売れる理由2.似ている気がするけど、新しい

誰しも未知のものは受け入れ難い。すでに有名なものに似ているけど新しいというのが広くリスナーから受け入れられる条件だ。

ニガミ17才は、今後売れてくると『ゲスの極み乙女。』に似ていると言われるだろう。ただ、ゲス乙女とは明らかに異なる。同じなのは鍵盤の音がするのと女の子が可愛いだけだ。

そもそもの系譜が異なるが楽曲面について書くと、ゲス乙女の明らかに川谷絵音の歌を中心としたメロディー重視の楽曲に対し、ニガミ17才はメロディーよりも繰り返しのリズムに歌詞を載せるアプローチを行っている。ニガミ17才は洋楽のようにAメロやサビの区別がないバンドである。詳しくは曲を聴いて下さい。ちなみに、「おいしい水」のMVにはデッカチャンが出てます。


ニガミ17才 / おいしい水

売れる理由3.バンド内に可愛い女の子がにいる

売れるバンドというのは曲が良いこと以上に、ビジュアルも重視される傾向が最近ある。Twitterやインスタでやたら自分の写真をバンドマンが上げたがるのもそれに乗っているとも言える。単純に可愛いとかかっこいいとかひと目見て分かる分かりやすさが重視される。

ただ、ニガミ17才のシンセ担当 平沢あくびは本当に可愛い。説明するよりも公式HP、Twitter、インスタで確認してください。

nigami17.com

というかニガミ17才は売れてほしい

ニガミ17才は売れる要素を持ったバンドだ。

CDが売れない時代と言われ、数年が経った。「CDを買う」という行為は、アーティストを応援するためのクラウドファンディングでそのパトロンになったリターンとしてCDがついてくるというイメージで考えるのが正しい気がする。もっと簡単に言えば、CDを買うことは、楽曲を聴く目的ではなく、アーティストを支援するための手段になっている。「推す」とも言いかえられる。

 

6月6日には新しいアルバムが出る。こんなかっこよくて変態的なバンドなかなかいないから売れてほしい。ニガミ17才には、こんなにも変な音楽で自由にやっても売れるということを証明して欲しい。

 

ニガミ17才b

ニガミ17才b

 

 

2018年春アニメ、何を見ればいいのか?

毎年クールが変わることで季節を感じています、まちだねこです。

結局、毎クールごとで最終回を迎えて新しいアニメが始まり、結局、何を見るか悩む。そもそも見るまでは何が面白いか話題になるか分からないのに、一話で決めるのも難しい。

ただ、各クールをなんとなく見ているとアニメ業界のトレンドが見えてくる。そんな全体の視点から今回の2018年春クールを考えていきます。

 

続編ばかりの2018年春アニメ

特に2018年の春クールは、最近の傾向が恐ろしく出ている。それは、過去作のリメイクおよび続編です。

上げられるだけでも、東京グール、シュタインズゲート銀河英雄伝説キューティーハニーキャプテン翼、ペルソナ、ルパン三世。また、昔の漫画のアニメ化もあります。バナナフィッシュ、ピアノの森メガロボクスというアニメは原案が「あしたのジョー」という異色作です。

この傾向は日本だけでなく、ハリウッド映画でも顕著です。アベンジャーズシリーズはその際たるで、マーベル作品以外のキャラクターもどんどん巻き込むことで、各作品のファンを取り込むことはもちろん、そこから別のキャラクターのファンになってもらえるような導線を作っています。

 

結局、何を見ればいいの?

過去作品の成功にすがりつく形での映像化は、商業的な成功はかなり固いし、ビジネスとして考えると安牌です。ただ、過去作を見ていた人に閉じてしまう傾向にあり、新規ファンに向けて開きにくい傾向があります。

過去に、こんな記事を書きました。

そこで論じたように、もはや、アニメオリジナルストーリーはNetflixなどサブスクリプションサービスの資金のもとでないと制作できません。だからこそ、続編だらけになっていくのです。

ただ、有名作品の続編やリメイクはある程度知名度がついてくるので、自由に冒険できるというメリットもあります。

だからこそ、今回は、リメイク物をどれだけ面白くするかに着目したらよいのではないでしょうか。

なぜ校長先生の話は眠くなるのか?

こんにちは、まちだねこです。

今回は、眠くなることについて、眠くなることでおなじみのフランス映画を題材に、なぜ眠くなるのか?を考えます。

 

『ハッピーエンド』あらすじ

舞台はフランス北部の町、建設会社を経営し、大きな邸宅を構えるロラン家に生まれたエヴは、両親の離婚をきっかけに家族と距離を置いていた。だが、母親が倒れたことをきっかけに、祖父ジョルジュのいるフランス北部の町カレーにある屋敷に呼び出される。やがて、家族3世代の秘密が少しずつ明らかになっていく。

鬱映画の巨匠と言われるミヒャエル・ハネケ監督の最新作で、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出典作品。

 

 

フランス映画は眠くなる

フランス映画はよく眠くなると言われている。そもそも、眠くなるという現象は、本人が疲れているとかでない限り、その場の退屈さに原因が絞られる。ただ、今回取り上げる映画に限らず、フランス映画はカンヌ映画祭などで受賞するなど映画界では評価されている。このギャップはなぜ生じるのか?

それは、カンヌで評価されるのが、映画の表現技術という部分の話で、一般的には全体の印象が面白い面白くないの評価になるからである。

 

『ハッピーエンド』も全体としては起伏が少ない。ただ、この映画には、部分で表現手法としてインパクトのあるシーンが存在する。映画が始まった瞬間、主人公のエヴがハムスターに毒を与えて弱っている場面を撮影しているスマホ画面が縦型で映し出される。そもそも、映画館のスクリーンは横なのに、縦型の映像を上映することの違和感に観客は目を奪われる。

また、スマホの動画録画という独特の距離感が映画に不思議な感じを与えている。つまり、エヴが撮影しているiPhoneの画面を僕らが映画のスクリーンで見るという流れになる。ここにはiPhoneの画面と映画のスクリーンという二つの画面が存在する。2つのスクリーンを挟むことで、エヴの冷めた目線を表現している。人は動画を撮る時、何を被写体にするかだけでなく、写真と異なりどう撮るかを気にする。ここが映画の本質であり、それをスマホの画面そのものを見せることで伝えようとしたのだとすれば、確かに監督は天才と言える。より冷めた目線でエヴの視線を体感でさせようとしている。

 

スキルがすごいというのと、全体として面白いというのはまた別の問題である。記事のタイトルにした、校長先生もなにか1つ秀でたスキルがあり、校長をやっているだけで、全体としては面白くない場合が多いからこそ眠くなるのではないだろうか。

昔の音楽を聴くと、忘れてた記憶が蘇る

こんにちは、まちだねこです。

シャッフル再生で昔よく聴いていた音楽が急にかかったり、テレビで懐メロが流れたりした瞬間に忘れていた記憶が蘇ることありますか?

今回ご紹介する映画は、そんな人生と音楽が密接に結びついた映画「ベイビー・ドライバー」です。

 

ベイビー・ドライバー』あらすじ

類まれなる運転テクニックを持つ主人公ベイビーが借金を返すために犯罪者の運び屋となる。ただ、ベイビーは幼いころのトラウマで耳鳴りがやまないため、常にイヤホンをして音楽を流している。

ベイビーはある日、恋に落ちる。ただ、犯罪の片棒を担いでいるベイビーは素性を明かすことはできない。しかし、その子もベイビーの仕事によって犯罪にまきこまれていく。

 

物語は音楽で彩られる

この映画は世間的には音楽と映像の高いシンクロ率で評価されている。主人公ベイビーの耳鳴りがすごくて音楽を常に聴いている設定はもはや、音楽を映画内で使うための口実にすぎないとさえ思えるくらい、音楽と映像がシンクロしている。

ただ、その撮影編集技術の話をここでしたいわけではない。僕らは別に闇の犯罪組織と関わり会いがなくても、音楽を聴いて生活している。それくらい生活の中で音楽は当たり前の存在になっている。

このベイビー・ドライバーは監督のプレイリストを基に映画が作られた。つまり、音楽が先にあって物語が作られた。だからこそ、音楽と物語がシンクロした最高のエンターテイメント作品が出来上がった。

物語にBGMはつきものだ、もしくはBGMに物語はつきものだ、とも言える。この両方の関係は今までの映画では意外と重視されていなかったように思える。現実の捉え方としても、音楽が先にあってストーリーができあがることもあるのではないだろうか?例えば、音楽を聞きながら歩いているとなんとなく自分が強くなったり、感傷的になったりするあれはその代表だ。

音楽を自分の人生に重ね、むしろ寄せていく行為がこんな気分にさせている。「音楽に背中を押される」とか「音楽に助けられる」というのは、こういうことを指すのじゃないだろうか?

きっとこの映画を見終わった後、今まで好きだった音楽が自分の人生のいろいろな場面で脳内に流れて、人生をいかに彩ってきたかに気付かされるだろう。

 

青春映画が苦手なんですがどうすればいいですか?

こんにちは、まちだねこです。

青春映画は恋愛映画でもそうでなくても、イケメンとか可愛いヒロインが活躍する映画が多い。だから好きじゃないという人もいるのではないでしょうか?

そもそも、青春映画が苦手な人は大抵、あまり自身の青春に良い思い出がない気がします。青春コンプレックなるものに悩まされる人は少なからずいる。

そんな人におすすめしたい映画が"アメリカン・スリープオーバー"です。

 

『アメリカン・スリープオーバー』あらすじと解説

スリープオーバーとは日本語でお泊まり会の意味である。この映画はアメリカの中高生が参加するお泊まり会を中心に物語は進む。

そう、何を隠そうこの映画は青春映画なのだ。

この物語は何人かの話が同時並行でたまにクロスしながら進む。イケイケの男女のワンナイトの話もあれば、そうでない話もある。

そうでない話として、イケてない男子がスーパーで一目惚れした女の子を探しに、男子禁制のお泊まり会を尋ねる話がある。女の子から「何しに来たの?」と尋ねられると、「たまたま通りがかって、、、」と答える。

この見え透いた強がりと下手なウソこそが青春のリアルなのではないだろうか。

別にイケメンや女優が出ていなくても青春の核は表現できる。現にこの映画はほぼ演技未経験の演者が演じている。この甘くて切なくて、自意識が邪魔をして何も出来ないけど、何かをやったような感じこそが、青春なのではないだろうか。

青春映画が苦手という人はその部分を勘違いしているような気がする。

 

過去の強がっていた自分を見つめ直そう

まず前提に青春は取り戻せない。いくら今から頑張ってももうすぎてしまったら不可能だ。ただ、気づいていないだけで、おそらく青春というものは、イケメンやモデルじゃなくても、訪れている。

今こそ、もじもじして強がっていたあの頃の気持ちに向き合うことも重要なのではないだろうか。もはや、「大人」になって、強がることすらできなくなっているではないか。強がれるような大人になれば、本当に強い大人になれるかも知れない。

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