サブカル備忘録

映画・アニメ・音楽、全てのカルチャーは処方箋

今業界注目の劇団「ロロ」の魅力とは?

 演劇の魅力とは、「時間と空間を超えること」だと思う。

だが当たり前だが、人は時間も空間も超えられない。ただその場所にいって、時間を過ごすしか出来ない。

演劇はドラマや映画に比べて圧倒的に不自由である。カットができない、舞台セットも変えられない。

だからこそ、「見立て」が重要になってくる。「見立て」とはあの雲はクロワッサンに似てる、とかいうやつだ。

舞台の上では、単なる四角い箱だって椅子にも看板にも車にも机にもなんだってなりえる。ここが大きく正確な風景やロケ地を必要とするドラマや映画とは違うところだと思う。

人の想像力に依存するのが演劇だ。つまり想像力で足りない部分を補わなくてはならない。だからこそ、ドラマや映画と違って単に見るだけでは意味がわからない、ある意味参加型の作品なのだ。

舞台上では単なる箱も何にでも見える。

けど、日常生活で僕らは普通、箱をそんな風には見ない。でも、ロロの作品を見た後はそうやって世界が少しだけ崩れて大きくなった気がする。

 

今回の新作は「マジカル肉じゃがファミリーツアー」なんていうふざけたタイトルの演劇だ。 

だけど、「マジカル肉じゃがファミリーツアー」なんていうタイトルからどんな話か分かるだろうか。想像がいくらでも膨らませられるタイトルじゃないか。

まだ間に合う。僕たちがいるこの場所は草原にもお城にも宇宙にもなる。そんな子供みたいな想像力を思い出そう。意味なんてないかもしれない。だけど、簡単にどこにだって飛び越えていけたら楽しいじゃないか。